学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)

そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。

でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。

 

前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「新型コロナウイルスに伴うアメリカの失業」についてです。

目次


・はじめに結論

・経済を見る上で大切なこと
・今みるべき経済データとは?
・アメリカの新規失業保険申請件数の見方

・おわりに

はじめに

新型コロナウイルスが世界中で蔓延していますね… 米国時間4/9に、アメリカ労務省が新規失業保険申請件数を発表し、4/4までの1週間で660万6千件だったことが分かりました。先週は686万件、先々週は328万件でしたので、ここ3週間で1,600万件を超えたことが分かりました。

大変な事態になってきましたね。

 

なぜこの数字に着目しているのか、いつものように少し解説させて下さい。(何か1つでも「へぇ~」って思って下さるポイントがあると嬉しいです♫)

経済を見る上で大切なこと:データを地道に見ていく

「これからの世界経済ってどうなるの?」

このような状況のときは様々な噂も流れますし、とても不安になってしまいますが、パニックになってしまうのは一番よくないこととされています。経済を見る上で番大事なこと、それは信頼のおけるデータを地道に見ていくことなんです。そして、そのデータの正しい見方を理解する必要があるよ、と学生の頃に先生から習いました。

将来大きくなった娘たちへのメッセージのつもりで書いていきますね♬(なんか、学校の授業みたいに、そして、お父さんのお説教のようになってきてしまったかも… できればゆる~く書いていきたいと思います ^^; サラッと読み飛ばしてください)

今みるべき経済データとは?

「コロナウイルスが猛威をふるっているけれど、私達の今後の生活どうなりそう?」

すごく気になりますよね。

将来予測なんてなかなかできないものなのですが、この大変な時期に、経済の面から見るべき/参考とすべき情報があります。それはアメリカ経済の各種統計データです。その理由は、世界で最大の経済大国であること、そして、コロナウイルスの影響を一番受けている国だからです。

コロナの影響で日本の少し先を行くアメリカを見ておくと、日本が今後どのようになるかの参考になりますね。

・アメリカ経済を見る上でのポイント
「アメリカ経済を見る」ひとつのポイントは、アメリカの経済は人々の国内消費に支えられていることです。少しややこしく言うと、アメリカの国内総生産(GDP)は実は個人消費が7割を占めていることなんです。

その中で、最も重要なデータの一つは雇用関連の情報です。私達も、雇用されているから買い物をしますし、安定した収入があるからこそ家や車などの大きな買い物をすることを考えますね。それらの買い物がお店の収入となり、お店の仕入れ先企業等の仕事に繋がり、そのお店や仕入れ先の従業員に給料が出て、それが新しい消費に回ります。

このようにして、安定的な雇用があるからこそ、お金が回り、経済が回りますね。

そして、その重要な雇用が今危機にさらされています。

アメリカの新規失業保険申請件数

その重要な雇用を見る上で重要なデータの一つは、アメリカの労務省(United States Department of Labor / DOL )が毎週発行しているレポートに掲載されている「新規失業保険申請件数」です。

4/9に出された最新レポートを見ると、4/4までの1週間で660万6千件の失業保険申請が出されたことが分かります。冒頭でご紹介した通り、ここ3週間で1,600万件を超える申請が出されています。

 こちらのグラフのように、右側に記載されている最近のデータが多すぎて、左側/真ん中の過去データがほぼ「0」に見えてしまいます。(出典元:米労務省レポートより抜粋)

 この600万件を超える数字、実は見たことがないくらい多いものなんです。新型コロナが発生する前は、1982年の69万件が最大でした。リーマンショック後でも2009年の66万件が最多だったので、桁が違うことが分かります…

 

コロナウイルスがアメリカで猛威をふるい始め、各都市がロックダウンされていった動きと、失業保険申請件数の伸びの時期が一致していますね。

 

(日本でも、このままの勢いでコロナウイルスが蔓延してしまうと、米国と似たような状況に陥ってしまう可能性も有り得ることが見えてきてしまいますね。)

・でも、パニックはNG
3週間だけで、1,600万件も失業保険申請がなされたという、とても衝撃的な情報です。でも、パニックになるのはNGで、このデータの意味を知り、そしてこれらもデータを見ていく必要があるんです。

アメリカでは一時解雇ができて雇用調整がききます。また、雇われていても一時的に無給となった方でも、この失業保険申請を行うことができるんです。なので、日本人の我々がイメージする「失業」とは少し感覚が異なるデータなんです。

 

そして、今回の失業は新型コロナウイルスによって人々が移動を制限し、それに伴って需要が減ってしまったことが原因ですね。なので、コロナウイルスがピークアウトすれば雇用状況も急激に復活する可能性が残っています。各国政府等が、まずはコロナ蔓延を防ぎ、ワクチンを開発し、収束後のV字回復を狙っているのはそのためですね。

 

(但し、海外メディアによるビルゲイツさんへのインタビューで「完全に安全になるのは2021年秋かも」といった内容が報道されていること等を踏まえると、短期的にはなかなか楽観的になることは難しいように個人的には感じ始めていますが…)

おわりに

今回は少し悲観的なトーンでのご紹介となってしまいました…
学生の頃から今までいろいろな経済関連データを見てきましたが、今回程悪いデータが続いたことは見たことがありません。原因であるコロナが収束していないので、今後も同じように悲観的で、ショッキングな報道が多くなされると思います。

 

一つ言えることは、私達がウイルスの蔓延をしっかりと抑える行動をとり、少しでもアメリカのような厳しい状況に至らない努力を継続していくことが、我々の健康/命を守るためにも、経済/雇用を守るためにも、重要だと感じています。

 

最後に少しだけ前向きに☆
経済は落ち込めば、再び回復するものとされています。これからも悪いニュースがたくさん出てきたとしても、少し先の将来しっかりと回復していくと思います。過度に悲観的にならずに、各種データをしっかりと見ることで世界や日本の正しい姿をとらえながら、行動していく必要がありそうですね。

(なんだか、少し大きい話での終わりとなってしまいました。
「家庭内で娘に話しかけてる一人のお父さんの雑談が、ちょっと聞こえてきちゃった」ような感覚で、ご容赦いただけますと嬉しいです(笑) )

 

・宣伝です(笑)
こんな記事も書いています。お時間あれば読んで下さると嬉しいです☆

「新型コロナへの経済対策 ~なんで現金が給付されるの?~ : お父さんから娘への経済教室#1」
https://3shimaipapa.com/father-helicopter-money/

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