学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)

そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。

でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。

 

前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
アメリカ経済・GDP」についてです。

目次

 

・はじめに

 

・米国の4−6月期GDP : 31.7%減少

 

・一歩細かく : このデータ、少し注意が必要なんです

 

・これからどうなる?

 

・おわりに

はじめに

8/27に米国の4−6月期 GDP の改定値が発表されました。前期比年率換算で31.7%の減少、速報値は32.9%でしたので、少し改善されました。

 

このデータの見方、日本や欧州との比較、ちょっとした注意事項なんかを、のんびりとゆる~く解説していきますね。

20年6月の米国雇用統計米国の4−6月期GDP : 31.7%減少

コロナが本格化してきた頃に「4−6月の米国のGDPは-30〜-40%といった落ち込みになるだろう」と予想されていることをご紹介してきました。

結果としては、前期比年率換算で32.9%減少という速報値が公表された後、8/27に改定値として31.7%減少というデータが公表されました。(データ及び画像の出典元: US Bureau of Economic analysis

ちょっと細かく

ちなみに、今回の「32.9%減少(改定値:31.7%減少)」と言う数字、一部メディア等では「過去最大の落ち込み」といったように伝えられているのですが、少しミスリードしてしまう見方となってしまっています。確かに過去最大なのですが、実は「想定よりも意外に良かった」という数値なんです。

 

 

一部公的機関の予想では−40%といったものもあり、最近の改定値についてもダウジョーンズがまとめた市場予測は32.4%だったそうで、実際のデータの方が減少幅が小さかったことが分かります。

 

 

これまでご紹介してきた失業率小売統計等が想定よりも良かったことと同じ傾向ですね。つまり、政府の対策によって、想定よりも経済の落ち込みが緩和されていた、と見る必要があると考えられます。

 

(各社決算に差がありますが、しっかり増収増益を達成している企業もあります。企業活動は停滞していたけれど、個人消費はしっかりと生きていました。)

 

 

ちなみに、日本の内閣府が発表した4~6月期は前期比年率換算ベースで27.8%減少、欧州連合(EU)統計局が発表したユーロ圏の4~6月期の実質GDPは前期比年率で40・3%減少でした。日本は相対的にはコロナの影響が小さかったことが分かります。

一歩細かく : このデータ、少し注意が必要なんです

もう一歩細かく見ていきますね。読むのをやめないで〜(笑)

 

米国31.7%減少、欧州40.3%減少、日本27.8%減少という値は「前期比」なんです。つまり、1−3月のGDPに対する変化率です。

 

そして「年率換算」、これがすごくややこしいんです。前期比年率とは、前の四半期からの増加率が4 回続いた場合の増加率を意味しています。つまり「この落ち込みが4回続いたら年間でこんなに下がる」というものです。

 

これって、新型コロナという特殊な環境だと、少し使いにくいデータであることが分かりますね。4-6月は世界各国の経済活動がストップしていましたが、今は再開しています。あの時のデータが4回続くことはないですね (そうであって欲しいです…  期待を込めて(^^;  )

 

 

・ご参考:

GDPについて少し詳しくなりたいな、と感じられた方は、まずこちらの動画をお勧めします。とても分かりやすく解説して下さっています☆

じゃあ、何を見るといいの?

年率換算の前期比は、瞬間風速を見るには適しているのですが、経済規模の実際の変化を見るには、「前年同期比」がふさわしいですよね。

 

 

前年同期比だと米国は9.5%減少、日本は9.9%減少でした。「ほぼ1割経済規模が縮小した」と考えることができますね。国ごとに傾向の異なる欧州を見ると、ドイツは11.7%減少とほぼ日米と同じ1割程の減少ですが、フランスは19.0%の減少・イギリスは21.7%の減少、イタリアは17.3%の減少と2割近い現象となっていることが分かります。

 

(前年比データは東洋経済オンラインの記事や、欧州連合統計局のデータを参照しました。)

 

これからどうなる?

これからどうなる?

 

今までのデータからは、米国・日本・ドイツなどは想像されていたよりも、比較的影響がマイルドだったことが見えてきました。

(「想像されていたよりも」なので、とても大きな影響であることは変わりないのですが…)

 

 

最後に、気になるのは「では、これからどうなるの?」ですよね。

 

 

今の最新の見解は、当初は「力強く回復に向かう」と想定されていたものの、コロナ感染が想定よりもおさまっておらず、新規失業が思ったよりも減らず、消費も少し懸念が残る、というものです。

 

 

今後も各種経済データを地味に見ていく必要があるのですが、経済が「順調に回復する」という状況にはまだないように感じています。(もちろん、経済がロックダウンしていた時期と比較すれば「回復」するのですが、新型コロナ感染が拡大する前の経済状況に戻るかどうかは懐疑的となりつつあります。)

おわりに

「なんとなく、GDPに詳しくなった気がする♫」なんて感じてくださると嬉しいです。

 

長文にも関わらず、お読み下さりありがとうございました☆

同じカテゴリの記事はこちら

米 ゲームストップ / GameStop 株でファンドが「負けた」?:お父さんから娘への経済教室#25

米 ゲームストップ / GameStop 株でファンドが「負けた」?:お父さんから娘への経済教室#25

新聞の一面などで「米 ゲームストップ / GameStop の株式が急騰し、ファンドが損失を抱えた」といったニュースが報道されました。今回はこちらについて、スーパーマリオなどの話題も交えながら、少しゆる〜く解説させてください (^^) 楽しんでくださると嬉しいです。

「 住宅着工件数 」とっても便利です★: お父さんから娘への経済教室 #24

「 住宅着工件数 」とっても便利です★: お父さんから娘への経済教室 #24

世界経済を見ていく上では、世界一の経済大国である 米国 の動向を見ることが重要とされています。重要な指標の一つに「 住宅着工件数 」があります。今回は「住宅着工件数って何?」「なんで重要なの?」といったことから、最新データからわかること」をのんびりと解説していきたいと思います♬