学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)
そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。
でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。
前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「IMF:最新経済見通し 」についてです。
目次
・はじめに
・IMFが予想するこれからの経済 : 「世界経済見通し」より
・IMFが考える金融リスク : 「国際金融安定性報告書」より
・IMFが見る各国の債務状況 : 「財政モニター」より
・終わりに
はじめに
新聞などで「IMFによると世界経済は来年○%拡大すると予想されているが、…」といった説明をよく目にしますよね。この数字、IMFが定期的に発行しているかなり細かなレポートの一部なんです。新聞などでは経済成長率と概要部分しか紹介されることはないのですが、実はこのレポートは広く公開されていて、その中身がなかなか面白いんです。今回は今年10月に公開された以下3つの代表的なレポートを皆様と一緒にのんびりと見ていくこととさせて下さい。
・世界経済見通し World Economic Outlook
・国際金融安定性報告書 Global Financial Stability Report
・財政モニター Fiscal Monitor
IMFが予想するこれからの経済 : 「世界経済見通し」より
新聞などでは経済成長率予想値が触れられるくらいですが、実はこちらのレポート172ページもあるんです。圧倒的な情報量で、説明のみでなく実際の数値データ、グラフなどもあり、結構便利です。
(以降の画像出典元は全てIMF公式サイトです。世界経済見通し、国際金融安定性報告書、財政モニター)
21年10月に公開されたレポートの骨子は以下の通りでした。
・世界経済は回復を続けているものの、勢いは弱まっている。そして、不確実性が高まっている
・2022年にはほとんどの国で価格圧力が和らぐと想定されているものの、インフレの見通しは非常に不透明
(ものすごくゆる〜く言い換えると「経済は回復してるんだけど、コロナがまだおさまらなくて、ちょっと回復が弱くなりそうだよ。気になるインフレは、今はみんながたくさんの物やサービスを買いたいのに、企業のみなさんがちょっと対応しきれてないから価格が上がってしまっているけど、22年ころまでには元に戻ると思っているよ…自信はあまり無いけど…」って感じです。ちょっと、くだけ過ぎな解説ですね、すみません(笑)
IMFの皆さんでも断定は難しいほど、今の経済情勢はちょっと先が見えにくいとも言えますね。過度に心配しすぎてもだめですが。)
この後は、今回のレポートの中で、個人的に少し興味深かった箇所をご紹介しますね。
■とても分かりやすい経済状況マップ
この見せ方、とても分かりやすいですよね。アメリカや中国の強さが目立ちます。
■米国の成長は少し鈍化(第一章の5ページ)
7月にIMFが公開した経済成長予測では、米国のGDPは今年21年に対前年で7.0%も増加すると予想していたものの、最新10月の予測は1%も下げた6.0%増加という値に変更されていました。コロナ感染の再拡大や、価格の高騰、人手不足などの影響で、7−9月の消費が想定よりも低迷しているといった考えによるものです。
ただ、それでも前年比で6.0%も伸びるという驚異的な状況です。最近7−9月の米国主要銀行の決算が発表されましたが、その力強い成長に驚かされました。リスクはたくさんありますが、やはり日本とは少し異なりますね。
金融リスク : 「国際金融安定性報告書」より
こちらも100ページもある大作です。半年に一度なので、結構楽しみにしています。(ただ、気になるところ以外は、完全に流し読みですが笑)
21年10月に公開されたレポートの骨子は以下の通りでした。
・金融リスクはある程度抑制されているものの、一部セクターでは不確実性が高まっている
・今回のテーマは「COVID-19」「暗号化資産」「グリーン経済への移行」
(こちらも、ざっくりとまとめてみます。「今のところは、たくさんの政策支援によって金融リスクは抑えられてきてたよ。ただ、インフレ、住宅価格などの過熱、暗号資産のリスク、環境関連金融など、色々と気になるところがあるんだ。これから見ていかなくちゃ」というイメージでした。)
こちらも、個人的に少し面白いと感じた点をご紹介します。
■とても便利なデータ一覧
このように、金融関連で特に注意すべきデータ(いい面とリスク)が1つにまとめられていました。とても便利ですね。これらが全て無料とは驚きです。
IMFが見る各国の債務状況 : 「財政モニター」より
こちらも114ページもあります。そろそろ疲れてきちゃいますね(笑)最後は軽くご紹介させて下さい。
各国の負債が増えていること、特に新興国などでは、収入の減少を伴うより厳しい状況に陥る可能性などが取り上げられていました。
(財政モニターは日経新聞さんが好きなイメージがあります。「世界でこんなに債務がある!」という説明は、なかなかインパクトがあるので、部数のためにも必要な要素なのかも?)
おわりに
今回は、IMFのレポート原文という、少しマニアックな内容のご紹介となりましたが、どこかに少しでも楽しいと感じていただけるところがありましたら嬉しいです。
(ちなみに、IMFのこのような長大レポートも、全てを丸呑みで信じてしまってはダメだと習っていました。
例えば、最近ではIMFのゲオルギエワ専務理事の進退で揉めていました。この方は世銀のCEOだった当時に、中国に有利になるようにデータを操作した疑いがかけられていたことがきっかけです。10/11のIMF理事会で、続投が決まりましたが、色々と考えさせられる報道でした。
やはり、データを自分で見ながら、怪しいところがあれば注意する必要がありますね。)
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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