学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)
そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。
でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。
前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「FOMCって何?」についてです。
目次
・はじめに
・FOMCって何?
・最新FOMCから分かること 2021/3/16-17
・おわりに
はじめに
世界経済の見通しを得るためには、やはりアメリカ経済の動向を把握する必要があります。今回は、アメリカ経済を見る上で欠かすことができないイベントの FOMC について、一緒に見ていきますね。FOMCでの情報って、実は意外に便利で身近、そして「面白い」んです (^^)
FOMCって何?
FOMCとはFederal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略称です。ここで、アメリカの金融政策が決定されます。日本だと、「日銀金融政策決定会合」という場で金融政策が決まっています。「金融政策」と聞くとなかなかとっつきにくいですが、家を購入する際に組む住宅ローンの金利なんかも、金融政策の影響を大きく受けるため、実は意外と身近な存在なんです♪
話をFOMCに戻しますね。FOMCは年に8回開催され、そこで景況判断が示され、政策金利(これはFFレート・フェデラルファンズレートと呼ばれます)の上げ下げなどの方針が示されます。参加者はFRB(Federal Reserve Board 連邦準備制度理事会)の理事や、連邦準備銀行総裁という、金融のスペシャリストです。
では、最近2021/3/16-17に開催されたFOMCを例に、どのような情報が公表されるのか、一緒にみていきますね。
最新FOMCから分かること 2021年3月
開催直後に公表される情報は「FOMC Statement(声明文)」と呼ばれています。下記リンクから閲覧することができます。(画像出典元:FRB公式サイト)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20210317a.htm
少し専門的な面もありますが、概要はこのような感じです。
・FFレートの目標レンジは0〜0.25を維持する
(しばらくの間はインフレ率が目標の2%を少し上回るあたりを目指すことも示されていました。目的は「最大雇用」の達成です。)
・債券買入プログラムも現行を維持する
(米国債を毎月少なくとも800億ドル、政府機関の住宅ローン担保証券を月400億ドル購入し続けます。)
ざっくりとは、金利を低く保ち、金融緩和も大胆に続けることで、好調な経済を実現し、労働環境を改善することを狙っています。
アメリカ経済は力強く回復してきていますが、金融政策の面ではまだまだ支援が続くことが示されています。
この辺りまでは新聞などでも紹介されますが、実は他にも色々な情報が公開されています。その中で、個人的にとても便利だと感じている情報は、「Statement」と一緒に公開される「Projections Materials」です。
FOMC Projection Materialって何?
「Projections Materials」とは、FOMC参加者の経済見通しや金利に対する考えを示した資料です。これらの認識に基づいて今回の政策が決定されています。
実は、この資料には金融政策を司る一流の金融スペシャリストの皆様によるGDP見通しや金利動向に関する予想が数字で掲載されているため、とても参考になります。
公開される情報はこのような感じです。(画像出典元:FRB公式サイト)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20210317.pdf
主だった点や、興味深い点をいくつかご紹介します。(上記表の上から順にご紹介します。)
・GDP成長率
21年は+6.5%となることが予想されています。今年はすごい勢いで経済が回復することが見えてきます。(先日バイデン大統領による超大型の経済対策も始まりました。1人約15万円の支給なども含まれていて、日本とは比べられない程の規模です。アメリカ、すごいですね^^; )
ただ、その後は、22年は+3.3%、23年は+2.2%、長期的(Longer run)には1.8%という見方です。
直近は大胆な経済対策が行われ経済が急回復・急成長するものの、将来的には一定の経済成長となると予想している点もとても興味深いですね。「アメリカ経済が今のペースでずっと成長する」とは見ない方が現実的なようです。
・失業率
21年は4.5%、22年は3.9%、23年は3.5%という予想です。新型コロナ発生前がだいたい3.5%ほどでしたので、その頃には労働市場が正常化するとみています。(個人的な想像ですが、金融緩和等もその頃には労働市場の回復を目的とした活動は不要になるようですね)
・インフレ率(PCE inflation)
21年は2.4%、22年は2.0%、23年は2.1%、長期的には2.0%の予想です。21年は目標の2.0%を超えていることを良しとしています。
・少し専門的なFFレート
最後の行にはFFレートの見通しが記載されています。21ー23年までは全て「0.1%」ですが、長期的には「2.5%」です。
ちょっと興味深い点は、FOMCに参加するメンバーの皆様の中でも、実はここへの考えが異なることです。(画像出典元:FRB公式サイト)
こちらのチャートは、各参加者が考えるFFレートが示されていますが、全員が「ずっと0.1%」と考えているわけではないことが見えてきます。
「経済が力強く回復しつつあるため、それに合わせて金利も見直してもいいかもね」と思われている方も少しいるようですね。
(ざっくり解説:金利を上げると、企業を経営されている方などにとっては、お金を借りる時の費用が増えるので、経済が少し落ち着いてきますが、見方を変えると「普通」に戻すことでもあります。今は金利を下げて、経済を回し、労働環境を改善させる方を優先させている感じですね。)
おわりに
今回はFOMCについて、最新の公表内容と共に、その見方などについて書いてみました。
「FOMC、なんだか少し分かった気がする!」「次回は少し見てみようかな」なんて思って下さる方がいましたら嬉しいです。
(お詳しい方々:拙い説明、失礼しました笑)
経済データを元にアレコレ分析することって、意外に楽しいんです♪
⇦変わってますね(笑)
今回もありがとうございました。
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