学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)

そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。

でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。

 

前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「新型コロナウイルス影響、今見るべき経済データ」についてです。

目次


・はじめ

・米商務省が公表する小売統計
・ベージュブック
・米労務省が公表する新規失業保険申請件数

・おわりに

はじめに

新型コロナウイルス によって経済に対しても多くの影響が出ていますね。新型コロナウイルスで現在最大の影響を受けているアメリカの状況を見ると、近い将来の日本への影響を想定することができるため、今回はアメリカの状況を見ていきますね。

このような時には信頼できる情報を基に、分析することが重要とされています。アメリカについて見る時に頼りになるのは米国政府/中央銀行系の情報です。今回は「 米国商務省小売統計 」「 ベージュブック 」「 米労務省新規失業保険申請件数 」について最新状況をご紹介します。

(少しとっつきにくいですよね (^^;  なるべく、娘が聞いてくれているような感覚で、専門用語は使わずにご紹介していきたいと思います☆)

米商務省が公表する小売統計

今週水曜4/15に、米国の商務省は3月の小売販売が8.7%減ったことを発表しました。

(アメリカの強さの根底には、このような経済データが広範に、そしてタイムリーに出てくることが挙げられることもあるほど、しっかりしています。

ここからは娘へのコメントですが、各種情報は新聞等の2次情報のみでなく、ぜひ1次情報を実際に見てみて下さい。2次情報だと、情報が足りないときや、逆に誇張されているときなどがあるので、やはり1次情報がおススメです。新聞やテレビは紙面や時間もあるので、全てを盛り込むことは難しいですよね。)

 

・実際のデータはこちら
https://www.census.gov/retail/index.html

https://www.census.gov/retail/marts/www/marts_current.pdf

 

この「-8.7%」という値は響きとしては少し小さく感じることもありますが、実はとても「異例」です。調査を開始した1992年以来の大幅なマイナスとなっています。

細かくはこのような感じでした:
・食料品や薬局等の必須アイテムは需要急増となったものの、他のカテゴリーが急減しています。
・3月の自動車と自動車部品への支出は1/4以上減少。ガソリンスタンドの売上は17%減少(「移動」が止まってますもんね)
・衣料品店の売上も半分以上減少(不要不急のあおりを大きく受けているようです。)

 

そして、このデータが3月のものである点が重要です。ほとんどの州が3月下旬/4月上旬まで重要ではないビジネスにシャットダウン指示を下していませんでしたね。今後、もっと悪いデータが出てくることが想定できますね…

(これら情報は、実際のレポートと共に、ロイターやニューヨークタイムズ等の情報も参考にしています。欧米のメディアの方が速報の精度が高いんです。最近のグーグル翻訳等は精度も高いので、ぜひ読んでみて下さい♬)

連邦準備制度理事会のベージュブック

米地区連銀経済報告のことをベージュブックといいます。(報告書の表紙がベージュ色だから、そう呼ばれているそうです。なんだかカワイイネーミングだなぁ、と個人的に感じています。)調査回数は年に8回、FOMCが開催される2週間前の水曜日に公表されます。

こちらが2020/4/15に公開された実際のレポートです。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/beigebook202004.htm

 

4月に実施された全米企業の調査で、状況が見えてきました。
・COVID-19によって、経済活動は全ての地域で急激に縮小した
・雇用は全ての地区で急激に減少。近い将来の見通しは、今後数カ月でより多くの人員削減。
・物価は全体的には需要低迷により低下傾向。
・例えば、ニューヨーク連銀は「3月後半に自動車販売はほぼゼロに落ちた」「企業は設備投資計画を大幅に削減」「ニューヨーク市のホテル占有率は15%に低下した」と述べています。

多くの地域が一気に悪化していることが見えてきます。こちらもなかなか「異例」です。

 

アメリカの新規失業保険申請件数

前回ご紹介した新規失業保険申請数について、4/16に米労務省が最新データを公表しました。

・レポート原文はこちら
https://www.dol.gov/sites/dolgov/files/OPA/newsreleases/ui-claims/20200632.pdf

 

525万件と、前週の662万件(速報値661万件から修正されています)からは減少していますが、なお高水準です。
(前回記載と重複しますが、新型コロナが発生する前は、1982年の69万件が最大でした。リーマンショック後でも2009年の66万件が最多だったので、桁が違うことが分かります…

(画像出典元:米労務省レポートより抜粋)

おわりに

新型コロナウイルスによって、経済に大きなダメージが出ていることが徐々にデータとしても現れてきました。そして、それらデータが今まで見たことがない程悪いものになっています

今は、米国の多くの企業が決算発表していく時期なのですが、厳しい状況が見えてきています。例えば米国で一流の金融機関であるゴールドマンサックスは、4/15の2020/1-3月期決算で、純利益が前年同期46%減の12億ドルであったことを公表しました。他の企業への影響を見ながら、今後どのようになりそうか見ていきたいと思います。

(詳しい方へ:ゴールドマンサックスの利益減は評価損によるものでしたので、意外に持ちこたえているといった意見もありますね。今後の各業界での影響が気になるところです。日本の銀行はどうなるか、少し気になります。)

 

今回もありがとうございました。

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