学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)

そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。

でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。

 

前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
経済がこれからどうなりそうか?」についてです。

目次


・はじめに
・米議会予算局(CBO)の分析/予測内容
・詳細やちょっとしたコメント
・終わりに

はじめに

新型コロナウイルスによって、多くの企業が厳しい決算を発表しています。そして、世の中には解雇や倒産のニュースも聞こえるようになってきました。経済は今後どうなってしまうのか?いつ頃回復しそうなのか?そんな疑問に対して、一定の信頼を置ける情報が公表されました。それは、米議会予算局(CBO)からの情報です。少し詳しくご紹介させて下さい♬

米議会予算局(CBO)の分析/予測内容

これからご紹介する内容は米議会予算局(CBD : Congressional Budget Office)の局長であるPhillip Swagelさんの記事です。日本でもこの記事を引用した報道がありましたが、やはり原文を見てみることが一番です☆

以下の要約/画像は4/24の記事が情報ソースとなります。
https://www.cbo.gov/publication/56335

 

・ポイント
まずは結論です。

-GDP:アメリカの2020年第2四半期GDPは対前年39.6%の減少となる
-失業率:第2四半期の失業率は平均で14%近くとなる
-米国政府の財政赤字:2020年度は3.7兆ドルとなる見込み
-米国政府の債務:2020年度末までにGDPの101%になる

 

このような分析結果です。少しとっつきにくいですね。ちょっと正確ではないのですが、ざっくりとフランクに書くとこんな感じです。

-経済は今年の4-6月にすごく悪化するけれど、7-9月はコロナも落ち着いて大きく回復すると見てるよ
-ただ、コロナが再度蔓延したりする可能性もあって、来年前半くらいまでは一定の影響がありそうだ
-失業者も増える。今年年初は20人に1人以下が失業だったんだけど、今年中旬はそれが7人に1人以上になってしまいそう。来年改善するんだけど、それでも10人に1人は失業しているような状態だと思うよ
-コロナ対策をするから、政府の赤字は約3.7兆ドル(約400兆円!)になりそうだ

ちょっとフランクに書きすぎました(笑) この後で、それぞれ少し細かくご紹介しますね。

 

・説明の前に:ところで米議会予算局(CBD)って何?
米議会は共和党と民主党などの政党が議席をめぐって争っていますが、CBOは超党派の中立機関です。この機関による経済試算/分析が議会の財政議論のベースとなっています。

世界一の経済大国アメリカにおいて、政府財政議論のベースとなる機関ですので、その分析はとても参考になりますね。

 

では、特に興味深いと感じたポイントをご紹介していきます。

詳細やちょっとしたコメント

・将来をどのように想定している?
2020年の第2四半期は急激な縮小が発生するものの、第3四半期には危機対応が緩和され経済活動は増加すると想定しています。但し、経済と労働市場の課題はしばらく続くと考えています。

GDP/失業率等に関する予想はこちらです

・GDP
上の表の通り、今年の第1四半期は前年同期比で-3.5%でしたが、第2四半期ではそれが-39.6%となると想定しています。すさまじい下げ幅ですね。

 

一方、第3四半期には23.5%増加し、第4四半期も10.5%増加するという想定です。但し、2020年は前年の2019年から-5.6%減るとの想定ですね。2021年は20年に対して2.8%増加するとの想定です。
(個人的には「完全なV字回復」とまではいかない、厳しい予想であるようにも見えました。)

 

・労働市場/失業について
2020年の第1四半期は3.8%ととても低い状況でしたが、第2四半期では14.0%となり、第3四半期は16.0%になると想定しています。その後改善されると予想されていて、21年年次としては10.1%、2021年末までには9.5%に低下すると予想していると本文中に記載がありました。
(今年年初の3.8%といった水準までの回復は見込んでいないことも見て取れますね… やはり今回の新型コロナウイルスの影響の大きさが垣間見えます。)

 

・金利(ちょっと細かいですね (^^; 興味のある方だけどうぞ☆)
2021年まで金利はかなり低いままであると想定しています。
-FRBによる措置や、低リスク資産の需要増加が、連邦借入の増加による金利上昇圧力を相殺すると見ています。

 

・未来の不確実さ
この予測は様々な情報(以前ご紹介した失業保険申請件数、民間部門の予測、パンデミックに関する分析、他)を元にされているものの、非常に不確実であるともコメントしています。
“These preliminary projections, which are subject to enormous uncertainty”

 

今回のCBD予測では、地域ごとの異なりはあるものの、現在のような状況が今年6月頃まで続くとの予想が見込まれているものです。そして、パンデミックの再出現の可能性も含まれているそうです。回復については、今年の第2四半期と比較して今年後半は75%ほど減少し、来年前半にさらに減少すると予想しているそうです。
(逆に、来年前半も一定の影響が存在し得るとみていることも分かります。)

 

・連邦赤字と債務
連邦赤字は2020年会計年度で約3.7兆ドル、来年は約2.1兆ドルになると予測しています。少しイメージしにくいですね。GDPとの比較もしてくれていて、2020年はGDPの17.9%、21年は9.8%の赤字となる額です。2019年は4.6%だったので、いかに大きいかが分かりますね。

連邦債務は、2020年度末までにGDPの101%となり、21年度末にはGDPの108%に増加します。こちらも、2019年度末は79%だったので、急な増加であることが分かります。

 

こちらはあくまでも要約ですので、英語ではありますが、ぜひ原文を読んでみて下さい。とても参考になると思います☆

おわりに

いかがでしたか?とても納得感のある分析ですよね。このような分析が常になされ、そして隠すことなく公表されているところに、アメリカの強さがあるように感じています。

 

新聞やニュースには、紙面や時間の制約があるため、どうしても一言での紹介となってしまいますね。今回のように実際の資料を見てみると、そのニュアンスや前提が分かり、とても面白いんです♬

 

少しでも「へぇ~」って感じて下さるところがあると嬉しいです♫

(父親から娘へのちょっとした雑談のイメージで書いています。投資等に使って頂くことは考えておりません。ご了承くださいね ^^; )

 

今回も最後までお読み下さり、ありがとうございました。

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