学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)

そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。

でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。

 

前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
Apple Inc.のすごさ」についてです。

目次

 

・はじめに

・2020年第2四半期決算資料のご紹介
(Appleってどのくらい「稼いで」いるの?)

・株主総会の資料のご紹介
(Apple社長の年収は?)

・おわりに

 

はじめに

先日4/30にiPhoneやMacでとても人気な Apple Inc.が2020年第2四半期(2020年1月~3月)の決算を発表しました。決算発表って、数字の羅列で、なかなかとっつきにくいですよね。でも、その数字、よく見てみると意外に「面白い」ストーリーが隠れているんです♬

今回は、そのAppleを題材に、米国企業の決算関連情報の見方について、少しだけご紹介させて下さい。少しでも「へぇ~」って思って下さるところがあると嬉しいです。

 

今回使う資料はこの2つです。

 

・2020/4/30 2020年第2四半期決算資料(FORM 10-Q)
まさに先日公表された最新決算です。Appleの3ヶ月間の成績表ですね。
この資料を一緒に見ながら、こんな感じのことを紹介してみたいと考えています。

-Apppleって、どのくらい稼いでいるの?

-iPhoneとMac、売れているのはどっち?

iPhoneのコストってどのくらい?

-Appleってどのくらい「お金」を持っているの?

-Appleの研究開発費っていくらくらい?

 

・2020/1/3 株主総会の資料(Notice of 2020 Annual Meeting of Shareholders and Proxy Statement)
2019年の結果をAppleが投資家の皆さんに紹介し、これからの経営を任せてもらうための場で使った資料です。実はここには、経営層の給料なんかも掲載されているんです。おまけで入れてみました。

(詳しい方へ「Notice of 2020 Annual Meeting of Shareholders and Proxy Statement」を見ています。)

 

娘たちに話すような感じで、なるべく専門用語を使わずに説明を進めてみますね。最後まで読むと、ちょっぴり決算書類を読める気分になると思います♬
(詳しい方には、説明が足りなかったり、まどろっこしかったりすると思います。読み飛ばして下さいね(笑))

2020/4/30 2020年第2四半期決算資料(FORM 10-Q)

会社について調べる時に便利な情報の1つは「投資家向け情報」ですので、今回は米国Appleの公式サイト情報を見ていきますね。

(情報と画像の参照元:詳しい方へ、AppleのFORM10-Qを使用しています。)

・Apppleって、どのくらい稼いでいるの?

まずはニュースのようなご紹介を。
2020年第2四半期の売上は583億ドル、営業利益は129億ドルでした。3ヶ月間だけで約6兆円ものお金を得て、コストを除いた利益としても約1兆円強もあったことが分かります。(税金などを除いた純利益net incomeは112億ドル)

 

「売上とか営業利益って何?」という方へ:

「稼ぐ」という意味、実は少し”あいまい”なんです。お客さんからもらったお金のこと(売上)を指すときもありますし、そこからコストを除いたお金のこと(利益)を指すときもあります。そして、その利益にも、通常の業務から得た利益、株式等から得た利益、税金を除いた後の利益など、実はいろいろあるので、少し分かりにくくなっています。それが「う~ん、売上とか利益って、なんかよく分からないなぁ…」って感じさせてしまっているように思っています。でも、実はそこまで複雑でもないですし、見てみると意外に面白さもあるんです。

 

今回は一番重要な売上(Sales/Revenue)と営業利益(Operating income)について、コトバの正確性は少し横に置いて、イメージについてご紹介しますね。

 

・売上ってなに?
ざっくりとは、売上は事業から得られるお金です。Appleの場合はiPhoneやMac Bookを売って得たお金や、Musicの月額料金等、得たお金を全部足したものと思って下さい。

iPhoneやMac Book、音楽配信等が、世界中で3か月だけで約6兆円も売れたということになります。これって、すごいですよね。(ちなみに、日本の売上は52億ドルなので、3か月で約5千億円以上売れています。多くの人がiPhone持ってますもんね☆)

 

・営業利益ってなに?
「売上」はお客様から得たお金の総額に注目していますが、その裏にはiPhone等を作るためのコストがありますね。売上から物を作るのにかかったコスト(売上原価:COGS cost of goods sold)や、販売するために使ったお金(営業費用:
Operating Expenses)等を除いて、会社に残るお金が「営業利益(Operating Income)」です。この営業利益がちゃんと残っていなくては、投資家の皆さんに配るお金がないこととなってしまいます。なので、皆さん「利益」を気にするんです。

iPhoneを作るためのアルミや電気基盤や加工費用、Appleストアの運営費なんかの「コスト」を全部合わせると5兆円弱くらいかかっています(Total cost of salesが359億ドル、Total operating expensesが95億ドルでした)。それらのコストをのぞいた金額の営業利益が約1兆円もありました。そこから税金を除いた金額が投資家の皆さんのものとなります。この額もなかなかすごいですよね。なので、多くの投資家が高くてもいいので株を買い、株価が上がるんです。

iPhoneとMac、売れているのはどっち?

決算関係書類は投資家の人達が「この会社はどのようにして稼いでいるの?将来も稼ぐことができるかな?」ということになるべく答えられる資料となっています。そのため、企業が重視している見方について紹介があるんです。

Appleの場合はもちろんiPhone等の各製品毎の売上を分けて載せてくれています。

やっぱりiPhoneが売上トップですね。290億ドルもの売上があります。iPhoneだけで約3兆円の売上って(^^;
次はMacの54億ドルです。3番目はiPadの44億ドル。

ちなみに、Servicesの売上は133億ドルと、実はiPhoneに次ぐ売上なんです。APPストアや、MusicなどにAppleが力を入れている理由が分かりますね。そして、驚くべきはiPhone/Mac/iPad等はコロナ影響もあり売上が減りましたが、Servicesは去年の同じ時期から17%も売上が増えているんです。それもあり、Apple全体の売上も1%ですが増加しているんです。多くの企業が売上が下がってしまったこの時期に、ちゃんと売上を伸ばしていたことが分かります(!)。

 

完全に脱線しすぎたので、ここから先は飛ばしていきますね(笑)

iPhoneのコストってどのくらい?

投資をするときには、その企業の製品のコストが知りたくなりますね。なので、その情報も載っています。

こちらの資料のように、製品のコストは売上の約7割、サービスのコストは売上の約4割弱となっています。

細かな内訳は公開されていないので、少し正確ではないのですが、例えば10万円のiPhoneは約7万円くらいのコストと言えそうですね。このコストはそこまで安いわけではありません。iPhoneのクオリティにはやはりコストをしっかりとかけていることが分かります。

Appleってどのくらい「お金」を持っているの?

2020/3/28時点で、1,928億ドルものお金(他に証券など現金に近いものも含まれています)があります。約20兆円、すごすぎですね(^^;

Appleの研究開発費っていくらくらい?

3か月で46億ドル、約5千億円もの研究開発費を払っています。年間で1兆円を軽く超える規模なので、ほぼ国家予算ですね(笑)

株主総会の資料 (2020/1/3公開)

最後はちょっぴりおまけです。

日本の株主総会と同じく、アメリカでも基本的には年に1回株主総会が開催されます。そして、そこでは経営層の給料が妥当かどうか議題に上がるんです。(Say on Payと呼ばれる制度です。)つまり、Appleの社長のお給料が分かってしまいます。

ちなみに、AppleのCEOはTim Cookさんです。先日発表したiPhoneSEを紹介するツイートをしてたりします。

こちらの資料のように、2019年の給料は$1,156万ドルですので、日本円だとざっくり11~12億円程です。
(出典元はAppleの2019年Proxy Statement

十分に多い金額ですが、米国企業の経営層としてはそこまでもらっているわけでもないんです

 

しかし、他のページを見ると、やはり世界トップクラスの企業を率いるだけの収入があることが分かります

これらは、Restricted Stock Unit(RSU=制限付き株)等の通常の給料以外の金額ですが、数百億円の資産を持つことができる程の規模にあることが分かります。

(ちょっぴり解説:RSUって何?
優秀な社員が止めてしまわないために、そして、会社の株価が上がるように頑張ってもらうために、数年後に自分のものになるという制限の付いた株を渡すことがあります。その株をRestricted Stock Unit(RSU=制限付き株)と言います。

上の資料では、2019年にTim Cookさんのものとなった株が560,000株あることが分かります。この株の価値が合計で1億ドル強、つまり100億円を超える価値があることになります。やはり米国の経営層の給料は破格ですね。ただ、それに見合うだけの成績を出しているので、批判もあまりありません。日本人でそんなにもらう経営者がいると、ニュース/新聞/ネットが荒れそうです(笑))

おわりに

今回は「Appleのすごさ」というテーマで、最新の決算資料等を一緒に見てみました。いかがでしたか?

 

たくさん脱線してきましたが、少しでも楽しんで下さっていたら嬉しいです。

今回もありがとうございました。

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