学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)
そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。
でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。
前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「『投資家の神様』バフェットさん」についてです。
目次
・はじめに
・バフェットさんって、ところで誰?
・バフェットさん、何がすごいの?
–バークシャーハサウェイの経営者
–世界で4番目の大富豪
-そんなにすごい経営者なのに、清廉潔白☆
・詳細です:最新の経営状況
(このパートのみ8月9日に少し追記しました。)
・おわりに
はじめに
今回は「 投資家の神様 」「 オマハの賢人 」等とも呼ばれている、アメリカの超一流企業 バークシャーハサウェイ の会長兼CEO ウォーレン エドワード バフェット さん(Mr. Warren Edward Buffett)についてのご紹介です。
簡単な経歴から、なぜこの方がこれ程尊敬を集めているのかといったことに加えて、最新の会社状況等について書いてみました。
雑誌を読むような感じで、のんびりと楽しんで下さると嬉しいです。
ウォーレン・バフェットって誰?
アメリカで最も尊敬されている投資家/経営者の1人です。大統領自由勲章ももらっています。
こちらは公式ツイートです。左の男性がバフェットさん。
Mary Rhinehart, a Berkshire CEO, is successfully running a $2.5B company in a male-dominated field #LeanInTogether pic.twitter.com/MNgeXvee18
— Warren Buffett (@WarrenBuffett) March 5, 2015
何がすごいの?
・バークシャーハサウェイの経営者
バークシャーハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.)という企業を圧倒的な速さで成長させました。日本ではそこまで名前を聞かない会社ですが、ものすごく巨大で成功している会社なんです。簡単にご紹介しますね。
会社の価値を示す指標の一つである時価総額は$429B、約45兆円もの金額です(2020/5/8時点)。日本で一番規模の大きいトヨタが20兆円未満ですので、その大きさ驚きですね。
元々は綿紡績事業の会社でしたが、今では保険業・エネルギー業・繊維業・製造業等の多くの子会社を有する投資会社のような存在となっています。そして、Appleやアメリカン・エキスプレス、コストコ、IBM、コカ・コーラ等の、超一流企業の株式を多く保有しています。今はコロナウイルスで厳しい状況にいますが、これまでは買う会社の多くがしっかりと価値を高めてきたため、その目利き力を多くの方が注目しているんです。
アメリカのネブラスカ州オマハで経営されているため、「オマハの賢人(Oracle of Omaha)」とも呼ばれています。
そんなすごい経営者、ちょっと気になってしまうことは、個人的な資産ですね(笑)こちらもとんでもないです。
世界で4番目の大富豪
2020/5/2に開催された株主総会の公開資料(2020ProxyStatement)を見てみますね。これによると、先程紹介した超巨大企業のバークシャーハサウェイの株式を37.1%も保有しています。この巨大企業の37.1%はバフェットさんのもの、と言えますね(お詳しい方へ:少し正確な表記ではないですね (^^; すみません。イメージとして書いています。)
画像出典元:2020Proxy Statement
具体的に、いくら持っているんだろう?
2020/4/8のForbesによれば、世界で4番目の資産家で$67.5B、約7兆円弱もの資産を保有しているそうです。
Known as the "Oracle of Omaha," Warren Buffett is one of the most successful investors of all time. He is now the 4th richest person in the world https://t.co/jjVM6haZWY #ForbesBillionaires pic.twitter.com/TOaB8R7Q8M
— Forbes (@Forbes) April 8, 2020
そんな資産家なのに、もっと驚くことがあります。それは、清廉潔白なんです。
そんなにすごい経営者なのに、清廉潔白☆
とんでもない資産家なのですが、その資産のほとんどを寄付することを明言しています。マイクロソフトのビルゲイツさんが経営している慈善団体等に渡すそうです。
そして、驚きなのは彼の「お給料」と「家」なんです。
-お給料
米国企業では、経営者の給料が毎年公開され、その給料が妥当か投資家が確認することになっています。米国企業の経営者は数億円~数十億円の給料が当たり前です。そして、さらにストックオプションとして株も提供されることが多いですね。日本企業の経営者は報酬が少ないと言われることもありますが、それでも普通は億円単位の給料です。先日ご紹介したAppleのCEOも、控えめではありましたが、それなりに頂いていましたね。
バフェットさんのお給料は、25年以上「10万ドル/約1000万円」。桁違いに安いお給料です。下の資料にある、Salaryの箇所ですね。
そして、投資家向けの資料には以下のような説明が書かれています。
-バフェット氏は給料の増加を要望していません。
-バフェット氏はバークシャーの職員に、個人的な郵便や電話などを依頼したりします。その時にかかった費用については、バフェットさんはバークシャーに支払うこととしています。例えば2019年には、5万ドル/約500万円会社に払いました。
-上の資料を見ると、給料を示すSalaryの他に、「All Other Compensation/他のメリット」として約27万ドル/約3000万円と書かれています。給料1000万円じゃないのかな?と思ったところ、こんな説明がしっかり書かれていました。「バークシャーはバフェット氏個人と家のセキュリティを提供しています。その費用は年間274,773ドルでした」額がピッタリ合いますね。
-さらにこんな記載も
「バークシャーの執行役員は、社用車を使用したり、会社が会費を支払うクラブに所属したりすることはありません。」
たまにニュースに出てくる、変な政治家や経営者には、ぜひ見習ってもらいたいですね(笑)
そして、もっとすごいこととして、こんな資産家なのに、家は1958年に買った家に住み続けているんです。
昔買ったの家に今でもずっと住んでいます
1958年に31,500ドルで購入したオマハの家に今でも住んでいます。
Warren Buffett's Omaha house is the 'third-best investment he's ever made' pic.twitter.com/WlZj36ghmo
— Business Insider (@businessinsider) January 19, 2019
今の価値としては数千万円であるようですが、高級住宅街の超豪邸でないところに、なんだか親近感を感じてしまいますね。
最後はちょっぴり専門的な内容に入りますね。最近発表した決算について。
バークシャーハサウェイの最新状況
ちょっと細かな、経営状況に関する説明です。新型コロナ影響などについて書いてみましたが、細かいのでサラッと読み飛ばしてくださいね(笑)
2020/5/2に四半期決算を公開しました。FORM10-Qという公式書類を少しだけ一緒に見ていきますね。(画像出典元も同資料です。)
2020/1/1~2020/3/31の間で稼いだ金額(売上)は$61B、約6兆円超と大変大きな額でした。ただ、今回多くの方が注目したのは、コストや税金等を除いた最終的な損益が$49.7B、約5兆円強もの赤字だったことです。
5兆円の赤字って、もうなんだかよく分からない額ですよね(笑) ただ、この赤字、ちょっと特殊なんです。2018年に損益を表すための会計ルールが変わっていて、会社が保有している株式の評価損益を最終利益に反映させることになったんですね。多くの会社の株式を保有しているバークシャーハサウェイとしては、このコロナ影響で多くの会社の株価が下落したので、その影響を反映させています。株って上がったり下がったりするものなので、持ち続けている限り「実際の損失」になるわけではありません。株価が下落した影響を除くと、利益をしっかりと出していました。
(なんだかニュースのような細かな話、すみません(笑))
こんな時に見るべきは「どのくらいの現金を持っているのかな?」という点です。そして、そのような情報も決算関連資料にしっかりと載っているんです。こちらの「Cash and cash equivalents」「short-term investment in U.S. Treasury Bills」です。
こちらの資料を見てみると、現金等を約$13.7B、約14兆円超も保有しているんです。このお金をどのように使うのか、世界中の投資家やビジネスマン/ビジネスウーマンの皆さんが気にしています。
(ちなみに、5/2に開催された株主総会では、新型コロナによって「世界が変わってしまった」と述べ、航空会社の株式を全て売却したとされています。確かに、たとえコロナが収束されたとしても、ここ数年は飛行機に乗るのは少し怖い感じがしますよね。といった感じに、バフェットさんの考え/行動は多くの人に影響を与えています。)
2020年8月9日にちょっと追記
このパートのみ2020年8月8日に追加しました。
前回、少し細かな説明として「ただ、この赤字、ちょっと特殊なんです。2018年に損益を表すための会計ルールが変わっていて、会社が保有している株式の評価損益を最終利益に反映させることになったんですね。」とご紹介しました。 ⇨ 最新の決算がどうなったのか、少し気になりますね。
2020/8/8に最新の四半期決算が公開されました。前回と同じくFORM10-Qという公式書類を少しだけ一緒に見ていきますね。(画像出典元も同資料です。)
2020/4/1~2020/6/30の間で稼いだ金額(売上)は$56B・約5兆5千億円超、純利益は$26B・約2兆8千億円。
前期は約5兆円の赤字でしたが、しっかりと黒字に戻していますね。会計ルールの違いによって利益が大きく触れているように見えてしまうことが分かります♬
おわりに
いかがでしたか。いろいろと脱線しましたが、1つでも「へぇ~」って思って下さることがあると嬉しいです。
読んで下さり、ありがとうございました。
2020/5/10:初版
2020/8/9:2nd Quarter決算情報追加
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